Topへ戻る
【中学数学】定数と変数の違いって?
変数か定数かを意識するべき?
中学1年で正負の数を学んだ後、文字式の扱いについて習います。 $x$や$a$等ですが、数学には必要不可欠なものですね。 文字の計算方法を習った時にすぐ「変数」と「定数」を理解するのは難しいと思いますが、 数学を学ぶに従い意識する必要が出てきます。
変数も定数も、足したり掛けたりすることができるという点では同じですが、 どちらとして扱うかで、問題の解き方に大きな差ができてしまうことがあります。 また同じ文字であっても扱いを途中で変えることもあるため、
「自分が文字をどちらとして扱っているのか」を念頭に置いて進めていくことが重要
です。
文字を初めて扱うのが中学1年であるためタイトルでは中学数学となっていますが、 どちらかというと高校数学で意識する必要がある内容になります。
「変数」と「定数」の違いについて
変数とは「値を変化させていく(値が変化してしまう)数」で、定数とは「値は定まっているものとして考える数」です。 変数と定数の違いを理解するため、次の$1$次関数を考えてみましょう。
\begin{eqnarray*} y=2x-3 \end{eqnarray*}
関数とは、「$x$と$y$の関係」を表したものであり、 $x$を色々な値に変えたとき$y$はどう変わるのか、を式で表したものです。 よって
$x$の値を様々に変化させていくので、$x$は変数
です。 $x$が変われば$y$も変わるので、$y$も変数ですね。
それに対し、(文字ではありませんが)関数の式に登場する$2$や$-3$は定数のイメージです。 $x$や$y$は変化しますが、当然$2$はずっと$2$のままですよね。 これを踏まえて、文字を含んだ次の1次関数
\begin{eqnarray*} y=ax-3 \end{eqnarray*}
を考えてみましょう。 中学と高校数学に限ると(多変数関数を習わないので)、
こう書いたときの$a$は定数
であることがほとんどです。 具体的にいうと、「$-0.3$か$2$か知らんがとりあえず$a$は1つに決まってる」ということです。
仮に$a$を変数として扱い、「$a$と$x$が色々変わった時に$y$はどうなるのか」を考えたいなら、 平面ではなく3次元の$xay$空間にグラフを書く必要があります。 ですが$a$を定数として扱うなら、変数である$x$や$y$のみが変化するので $xy$平面上にグラフを書くことができます。
ここで$a$は傾きを表しますから、この値によってグラフの形は当然変化しますよね。 $a$が正なら右上がり、負ならば右下がりの直線になります。 $x=0$なら($a$がどんな値であったとしても)$y=-3$なので切片$(0,-3)$は絶対に通りますが、 $a$の変化に伴い、直線が$(0,-3)$を中心として回転(ホントは上下に拡大)するイメージです。
ここからがちょっとややこしくなるのですが、
定数$a$を変数(未知数)として扱う場合もあります
。 もし問題文が「この$1$次関数が点$(2,5)$を通るような$a$を求めなさい。」となっていれば 「$(2,5)$を通るように$a$を決めてね!」ってことなので、 $1$次関数の式に点の座標を代入して
\begin{eqnarray*} 5=2a-3 \end{eqnarray*}
という方程式を作り、これを解くことで$a=4$と答えを求めると思います。 グラフ上で
「$a$を色々動かして」$y=ax-3$が点$(2,5)$を通るように調節した
わけですから 方程式を立てるときは$a$を未知数、あるいは変数として扱っています。
このように、同じ$a$という文字でも、自分が何について考えたいかによって変数と定数のどちらとして扱うかを変えることができます。 先ほどの例ですと、$a$は
・$x$と$y$の関係に注目したいなら定数
・$x$と$y$の条件が分かっていて$a$についての情報がほしいなら変数
という風に2通りで扱われています。
両者の違いを理解しよう
問題を解く時、多くの場合文字を使うことになると思います。 特に$a$について場合分けが必要な$2$次関数の問題などでは、 変数と定数の違いを理解していなければ解けないことも多いと思います。
しかし現実的な話として、「○○は変数と定数どちらになるか答えなさい。」 といった問題を解く機会は多分ないと思いますので、中学数学を学んでいる間は
・答えに入れていいものが「定数」
・自分が一番注目しているものが「変数」
くらいの認識でもいいかと思います。
大切なのは「自分が何を目的に計算しているのか」です
ので、 答えとして何を求めるべきかを考えつつ学習を進めてみてください。