【中学数学】二次方程式の効率的な解き方
二次方程式は中学最後の計算単元
正負の数から始まり一次方程式や展開等、中学で習う計算単元はたくさんありますが、 二次方程式の解き方もその1つです。 公立の中学校では恐らく1学期の終わりごろに習う人が多いのではないでしょうか。 中学校で習う計算単元としては一番最後になります。

二次方程式を解くには今まで習った代数の知識をフルに使う必要があるため一番最後なのですが、 二次方程式を素早く解くには
最適な方法を自分の意志で選択しなければならない
というのもその理由の一つだと思います。 多かれ少なかれ数学の計算には解き方が複数あることが多いですが、 二次方程式は特に解き方の使い分けで計算スピードや精度に大きく差が出やすいと思います。

なので今回は「二次方程式の解き方」についてまとめていきたいと思います。

基本的な解き方
使い分けの話をする前に、二次方程式の基本的な計算方法をリストにしておきましょう。

   ・平方根の考え方を使う
   ・因数分解で解く
   ・解の公式で解く
   ・平方完成で解く
   ・たすき掛けを使う

たすき掛けは因数分解の手法ですので2個目の一部ですが、中学校では原則習わないと思うので別項目としました。 平方完成は解の公式の元になるもので大変重要ですが、人によっては符号ミスをしやすいと感じるかもしれません。 従って今回は上の3つに絞ってお話しします。

平方根の考え方を使う
まずは1つ目ですが、例えば次のような方程式があったとします。

\begin{eqnarray*} x^2=10 \end{eqnarray*}

平方根を理解しているなら説明するまでもないと思うのですが、 この方程式は「$x$を2乗すれば$10$になるよ」と言い換えられるので、 「$x$は$10$の平方根」だということになり、

\begin{eqnarray*} x^2&=&10\\ x&=&\pm\sqrt{10} \end{eqnarray*}

と解くことができます。つまり$x^2=\cdots$という形に変形出来れば、 計算をせずとも
すぐに解を求めることができるので、スピーディに解けます
。 $x^2$が入った方程式を見たらまずはこれが使えないかを考えましょう。 使えればラッキーです。また、

\begin{eqnarray*} \left( x-3 \right)^2&=&4\\ x-3&=&\pm 2\\ x&=&3\pm 2\\ x&=&1,5 \end{eqnarray*}

というように、$(x$の1次式$)^2=\cdots$の形であれば$($平方完成できれば$)$ この考え方を使うことができますね。

因数分解で解く
$x^2=\cdots$という形に直せなければ、次に因数分解を利用できないか考えます。 例えばこんな感じです。

\begin{eqnarray*} x^2+5x-6&=&8\\ x^2+5x-14&=&0\\ \left(x-2\right)\left(x+7\right)&=&0\\ x&=&-7,2 \end{eqnarray*}

「$x-2$と$x+7$をかけて$0$なら、どっちかが$0$」、つまり 「$x-2=0$又は$x+7=0$」ということなので解が求まります。 「2次」方程式が解けないのであれば、「1次」方程式2本に直してしまえ!ということですね。 この際、
移項を使い右辺を0にすることを忘れないように注意して下さい


平方根の解き方よりは時間がかかりますが、 因数分解を理解できているなら比較的楽な方法ではないでしょうか。

解の公式を使う
上記の2つが出来なければ、いよいよ最後の手段です。
計算は面倒くさいですが、必ず答えを出せる
ので強力です。 $a\neq 0$として、二次方程式$ax^2+bx+c=0$の解は

\begin{eqnarray*} x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \end{eqnarray*}

となります。これを使えばどんな二次方程式でも解が$($存在するなら$)$求まります。例えば

\begin{eqnarray*} 3x^2-5x-2&=&0\\ x&=&\frac{5\pm\sqrt{\left(-5\right)^2-4\times 3\times \left(-2\right)}}{2\times3}\\ &=&\frac{5\pm\sqrt{25+24}}{6}\\ &=&\frac{5\pm 7}{6}\\ &=&-\frac{1}{3},2 \end{eqnarray*}

という感じです。注意点として、次のような方程式の前処理はしてください。

\begin{eqnarray*} \frac{3}{2}x^2+15x-9&=&0\\ x^2+10x-6&=&0\\ x&=&\frac{-10\pm\sqrt{100+24}}{2}\\ &=&\frac{1}{2}\left(-10\pm 2\sqrt{31} \right)\\ &=&-5\pm\sqrt{31} \end{eqnarray*}

解の公式を使う前に
分数の分母や小数点を払ったり、 あるいは両辺を整数で割ったり
して、 係数をなるべく小さく簡単にしましょう。 他の方法で計算する時にも言えることですが、特に解の公式は根号の中に2乗があるので中身が大きくなりがちです。 また最後の約分にも注意してください。しっかりと分配法則を使い、$\pm$の両側を割りましょう。

繰り返しになりますが二次方程式の解の公式は、 他の方法で計算できない場合の最後の奥の手と考えてください。 間違っても「考えるの面倒だから全部解の公式でいいや」等とは思わない方がよいですよ。 かえって面倒ですからね・・・。 ただ簡単には因数分解できず、平方完成すらしにくい二次方程式$(2x^2+3x-10=0$等$)$があることも事実ですので、 解の公式をマスターする必要はあります。

まとめ:
まとめると、二次方程式を解く時は下の3つを意識してください。

まずは$($1次式$)^2=\cdots$に直せないか考える!

因数分解できないか考える!

解の公式は最後の手段!


高校数学ではこれに加え、平方完成とたすき掛けも習います。 マスターすべき方法は多いですが、
より楽に計算が出来るようになるため
に、 しっかりと理解して練習してみてくださいね。